なぜ棚卸差異が起こってしまうのか?その原因と解消するための具体策
ワザモノ編集部
棚卸差異は、自社の財務に大きな影響を与えることになるため、たとえそれが1個、2個の差異であったとしても、これを軽視することはできません。そこで今回は、棚卸差異が発生する原因と併せて、解消に導くポイントをご紹介します。
棚卸差異問題の解決には「原因追及」が重要
在庫管理に携わる人にとっては永遠のテーマとも言える「棚卸差異」。
棚卸差異とは、棚卸を行った際に「帳簿上の在庫」と「実在庫」の数が合わないことを差します。
棚卸差異が発生すると、自社の財務に大きな影響を与えるほか、エンドユーザーの満足度の低下、自社の信頼にもつながってくるため、原因追及は欠かせないものといえます。どんなに小さな問題であっても、細かく原因を追究し、その都度解消していくことが今後の運営や企業の発展に大きくかかわってくるといえるでしょう。
なぜ棚卸差異は起こるのか?
ケース1:入力ミス
棚卸差異の原因として多いのはまず「入力ミス」であると言われています。特に、帳簿を手入力で入力しているケースでは入力ミスが多い傾向にあります。
入力ミスは、単純な数字の入力間違いをはじめ、金額や数量の桁数間違いといったようなものも挙げられます。
ケース2:仕入れミス
棚卸差異が起こる原因としては「仕入れミス」も挙げられます。
通常、仕入れは在庫状況をもとに数量を決定しますが、在庫状況が把握できておらず、帳簿上の数字だけを見て仕入れを行った場合などに仕入れミスが発生してしまうことがあります。帳簿上の数字だけに頼らず、正確な在庫数を把握することが重要です。
ケース3:伝票の処理洩れ・処理ミス
商品管理を伝票で行っている場合は、伝票の処理洩れや処理ミスも棚卸差異につながります。
これは、伝票を処理する作業自体が抜け落ちていたり、伝票を処理したつもりがデータベースへの反映が正しくできていなかったということが原因として考えられます。
商品管理を伝票で行う場合は、まず伝票処理の実施を徹底し、処理内容がデータベースに反映されたことまでしっかりとチェックするように体制を整えましょう。
ケース4:管理ミス
在庫の見落とし・現品管理のミスから棚卸差異が起こってしまうこともあります。代表的なのは、棚卸の頻度が少なく倉庫内の状況が正しく把握できていなかったり、担当者変更の際に在庫の引き継ぎが正しく行われないケースです。
このような管理ミスを避けるためには、保管スペースのルールを決め、全ての関係者がそのルールを把握し、担当者変更の際には細かく引き継ぎをすることがポイントです。
棚卸差異を解消するための4つの具体策
冒頭でもご紹介したように、棚卸差異は財務や信頼性など自社に大きな影響を与えかねません。そのため、棚卸差異が生じた場合は迅速に原因を解消しなければなりません。
ここでは、棚卸差異を解消する4つの具体策を紹介します。
情報処理と現物の動きを合わせる
情報の処理と現物の動きを合わせることで、棚卸差異を最小限に抑えることができるようになります。たとえば、入荷や出荷などの動きがあった時点で、すぐにデータベースにも入力するなど、情報処理と現物の動きをセットで行うことが重要です。
また、バーコードなどのITシステムを導入することで、よりスピーディに、効率よく在庫管理を行うことができます。バーコードであれば、入力作業をすることなく、スキャナーで読み取るだけで情報をシステムに反映させることができるため、入力ミスを防ぐ事にもつながります。
棚卸を短期間で定期的に実施する
企業によっては棚卸は四半期に一度といったケースもありますが、できるだけ短いスパンで定期的に検品を行うことがよいでしょう。そうすることで、管理ミスや仕入れミスを防ぐことができ、差異発生のリスクを減らしたり、棚卸差異を最小限に食い止めることができます。
みなし出庫の導入
みなし出庫とは、伝票処理をしない出庫方法のことです。通常であれば入庫・出庫時に伝票処理を行いますが、みなし在庫は出庫時の伝票処理を行わず、実績の確認によって出庫したとみなす方法です。
みなし出庫を導入することで、出庫時の伝票処理が不要になるなど業務の簡略化ができるため、ヒューマンエラーの減少が期待できます。
業務のルール化
業務手順をルール化しマニュアルを作成しておくことで、新しい作業員が入ったり、担当者が引き継ぎになった場合に、作業内容を漏れなく共有することができます。引き継ぎは口頭のやりとりのみで済ませず、マニュアルに沿って行うようにしましょう。
また、マニュアル作成後は、社員や作業員の目につきやすい場所に貼りだすことも効果的です。
在庫管理業務をアウトソーシングすることもひとつの選択肢
前項で紹介した3つの取り組みについては、棚卸差異の解消に繋げることができるものですが、実際に自社で取り組むことを考えた場合、人員確保・労力・コストなどの負担は決して少なくありません。
そのような場合は、在庫管理業務をアウトソーシングすることもひとつの選択肢でしょう。
物流のプロへ在庫管理を任せることで、プロの目線から棚卸差異の原因追究を行い、効率的な改善方法の提案などを受けることができます。そのうえ、自社に適した在庫数を検討・提案してもらえるため、過剰在庫や在庫切れなどの問題に頭を抱える必要もありません。
また、アウトソーシングを活用することによって物流の効率化ができるとともに、商品の開発や販売など他の業務に集中することが可能です。
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