流通業界の課題を解決する共同配送とは
ワザモノ編集部
近年、インターネット通販(EC)が急拡大しています。そのような状況の中、業務や経費削減にもメリットがあると言われている「共同配送」が注目されています。
この記事では、共同配送の具体的な方法と利点などについて紹介していきます。
共同配送とは?
通常、物流企業は自社の商品は自社で運びます。その一方で共同配送は、一つのトラックに複数企業の商品を積み込んで、届け先まで送る方法です。
自社の商品だけを運ぶ従来のやり方では、少しの荷物しか運べませんが、共同配送を行うことで、コストを大幅に引き下げることができます。
共同配送の仕組みは乗り合いタクシーに似ています。
例えば、自宅まで帰るタクシーをイメージしてみてください。一人で数十キロ離れた自宅までタクシーで帰ると、タクシー代は非常に高価になります。しかし、同じ方向に帰る人が見つかれば、タクシー運転手の人件費、燃料代といったタクシー代を割り勘で安く抑えられます。
また利用するタクシーも乗り合いを利用すれば1台しか必要ありません。そうすると、排気ガスもその分抑えられて、環境への負荷も軽減することができるのです。
タクシーと同じように、トラックが荷物を運ぶエリアが同じであれば、1台のトラックにまとめてしまった方が積載効率高まってコストを引き下げることができ、環境にも負担をかけずに済みます。
共同配送のメリット
①コスト削減
物流企業がそれぞれ配送を行う場合は、荷物の量に関係なく配送を行わなければなりません。
その点、共同配送であれば、同じ目的地に向けて1台のトラックに複数の企業が荷物を運びこむことはトラックの積載率を高めることにもなり、配送コストの引き下げにつながります。
また、トラックドライバーの人件費のほか、燃料代や高速代なども抑えられます。
配送コスト削減はエンドユーザーの配送料値下げにもつながる
共同運送は物流企業だけではなく、荷物の受け取り手にもメリットがあります。
物流企業が個別に配送していれば、受け取りは荷物が届くたびに対応しなければなりませんでした。その一方、共同配送であれば、荷物の受け取りも一回で済み、配送コストの引き下げに伴って配送料を下げることができるからです。
②排気ガス(CO2)の削減
共同配送はトラックの積載率の向上を意味するため、輸送に使うトラックが少なくて済みます。このため、トラックが走行する際の排気ガス(CO2)も抑えることができ、環境への負荷を引き下げることにもつながります。
③ドライバー不足の解消
少子高齢化の影響に伴う成り手不足やECの拡大に伴う物流量の増加で、トラックドライバーは慢性的に人手不足に陥っています。共同配送が広がり、必要なトラックの台数が減れば、ドライバーの数をそこまで確保しなくてもよくなります。
共同配送のデメリット
①追加受注が難しい
1社で物流を担う場合は、取引先・消費者の要望に応じて細かな対応を取ることができました。しかし、共同配送は複数の企業で行うため、1社だけ後から追加で受注した荷物を載せるといった細かな対応を取ることは難しくなります。
②共通のシステムが必要である
荷物がきちんと届いたかを確認する追跡業務も自社のシステムを使えないことが多いのが実情です。複数の物流企業でこうした業務を行う場合、新たな共通のシステムを作り上げる必要があるため、各社にとっては大きな負担となり得るでしょう。
③料金の設定がまとまりにくい
共同配送で一緒に荷物を運ぶのに料金体系がバラバラでは顧客は混乱します。そのうえ、料金設定を同じにして一括で管理をするにしても、料金には各社さまざまな思惑があって、なかなかまとまらない可能性もあります。
共同配送を実施する場合は、企業間で実施前に話し合いを重ね、どのような事態にも対応できるように実証実験を繰り替えす必要があります。
共同配送に向いている商品とは
共同配送は物流コストの引き下げなど物流業者にとっても取引先・消費者にとっても利点が多い一方、特性上、時間指定が難しいといった課題もたくさんあります。商品の特性を把握した上で、共同配送に適した商品を選ぶことが必要です。
日用雑貨や医療品、食料品といった多く詰むことができたり、日々、消費されるものは共同配送の商品に適しているといわれています。
共同配送の実現には流通のプロ“ニューウェイ”にご相談を!
物流業界を取り巻く環境は日々変化しています。
そのため、時代の流れに合わせつつも、自社の物流にあった現場を築きあげていくことを常に考える必要があると言えるでしょう。
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